2011年12月20日火曜日

マルチフォーマット

コンビニ班、堅田です。

前回のインタビューから頭を悩ましていました…
コンビニエンスストア業界各社はセブンーイレブンを意識し、
追随している。
模倣の研究をしている私たちにとって、そこはクリアだったのですが、
問題はそこから何が言えるのか、でした。

どこもコンビニエンスストアって売ってるものも、店舗の形態も似通っているし、
実際にそうだというお話も伺えたし…。
でも、そこから何が見えてくるのか…

途方に暮れながら雑誌を読んでいたところ、
『ローソンストア100が好調』という記事に目が止まりました。


早大生は高田馬場から早稲田まで歩くことを馬場歩きと呼んでいるのですが、
馬場歩きの途中にもローソンストア100はあって、僕もヘビーユーザーの一人です。



「ん…普通コンビニってセブンーイレブンならセブンーイレブンしかないし、ファミリーマートならファミリーマートしかないよな…」




今まではセブンーイレブンを中心に記事を漁ってきたのですが、
ローソンに関する論文や記事を探してみたところ、
ローソンの論文で、ローソンの出店行動、まさにローソンストア100やナチュラルローソンについて書かれた論文を見つけたのです。
一社で複数の店舗形態を運営していく、この戦略は「マルチフォーマット戦略」と呼ばれており、コンビニエンスストア業界では非常に稀な戦略なのです。
さらに、ローソンストア100は約1000店舗あるのですが、コンビニの肝である日販が非常に高く、普通の青いローソンを勝ってもいるようです。

ローソンだけがなぜこのような戦略をとっているのか…
実際のところを知りたい…
なんとかお話を聞けないものかと、前回お話を聞かせていただいたA様にお願いを申し上げたところ、なんとローソンの一つの形態である、ナチュラルローソンの元代表のC様を紹介して頂きました!

それでは、インタビューに行ってまいります!
次回をお楽しみに!!

2011年12月5日月曜日

井上ゼミとインタビューと、そのコツと。

こんにちは。井上ゼミナール8期、原隆介です。本日は、今週2回目のインタビューへ行って参りました。この度は、国内の数々のコンビニ企業を渡り歩き、現在、外資系企業でその手腕を振るわれているB様にお話を伺って参りました。コンビニ業界の本部と現場、また複数のコンビニ企業を渡り歩かれた方というのは、大変珍しい経歴であり、現在、別業界にいらっしゃるので、コンビニ業界について、広くそして深く、何より客観的なお話を伺うことが出来ました。

B様からは、ファミリーマートがセブンーイレブンに対してどのような見方をしていたかなどをお聞きしてきました。
当時の商品企画の話を伺い、ファミリーマートがセブンーイレブンを忠実に模倣しようとしていたことが非常に感じられました。

詳しい内容は論文で!

本稿では、インタビューを行う際のポイントを一つ紹介したいと思います。

【現在、当該業界(企業)に身を置かれていない方にアタック】
「インタビュー」と聞くと、自分の興味のある業界(企業)、調査したい業界(企業)の方に、どうにかして繋がろう、話を聞こう、となりがちです。
しかし、私は『インタビュー先は必ずしも当該業界(企業)の方である必要はない』と考えます。未熟者ながら、2年間の研究生活を通して、その確信を得ました。
その理由としては3つあります。
理由1)当該業界(企業)とのコネクションをどうしても作れない場合に有効。
理由2)当該業界(企業)を客観的に判断したお話を伺える。
理由3)当該業界(企業)在籍中には話せない、あんなことやこんなことまで伺える。

もちろん、当該業界(企業)に在席されている方にお話を伺うことは非常に重要ですし、無論、当該業界(企業)の方にお話を伺うことがマストであることは間違いありません。しかし、万が一、どうしても当該企業との方と繋がれなくとも、同じ業界の方にお会いできれば当該企業について伺えます。実際、前回のインタビューではローソンの方にインタビューをしましたが、am/pmの有意義なお話を伺うことができました。

でも、そんなに簡単にコネクションが作れるわけではありませんよね。運もありますし、思うようにはいきません。しかしながら、諦めるにはまだ早い!当該業界そのものとはご縁がなくとも、当該業界と密接に取引をされている方とは繋がれるかもしれません。むしろ、現在、当該業界(企業)に在席されていないからこそ伺えるお話も数多くあります。中にいると様々な理由から言葉に出来ない事象についても、外部にいるB様のような方だからこそ、お話頂けるかもしれません。この手法は、ここ2年間、あらゆる研究で活きてきましたので、その効果については保証致します。是非、お試しあれ。

そして、最後に。これらのインタビューのように、「フィールドワークを武器にした研究がアイデンティティであり、強みである。」というのは井上ゼミナールの得意文句ですが、
大変お忙しい中、私達だけのためだけにお時間を割いて下さる数多くの社会人の方のご協力のもと、我々の研究は成り立っていることを忘れてはなりません。

そして、その御恩に報いる手段が唯一あるとすれば、それは、このような機会を与えてくださる方々に恥じぬ研究を残すことだと考えます。論文提出まで残り2カ月を切りましたが、井上ゼミナール8期一同、さらなる精進をして参りたいと思います。

2011年11月30日水曜日

プロボーラー班、インタビューへいく

コンビニ班堅田です!

インタビューに行って来ました!
今回は、コンビニ業界に草創期から携わっておられた、株式会社ローソンの役員のA様にお話を聞くことができました。
コンビニエンスストアがまだ世間に認知されていないような状態から、現在のような百貨店にも並ぶ地位を築くまでに、どのような試行錯誤があったのかリアルに感じることが出来ました。
A様に前回考えた、「am/pmはセブンーイレブンの結果だけを見て、過程を見ずに模倣したから、失敗したのではないか」という仮説について直接お聞きしてみたところ

「それは少し違うなぁ」

と…
正直ショックは隠しきれませんでした。
詳しくお話をお聞きしたところ、仮説をたてる際に参考にした記事の内容が少し違うと説明して頂きました。

確かにコンビニ業界各社はセブンーイレブンを意識して追随することもよくあるし、それだけ業界でのセブンーイレブンの存在というのは非常に大きなものであるそうです。am/pmの経営悪化の原因は確かに都心に集中的に出店したことも一つの原因で、セブンーイレブンのように集中的に出店をしようというのもあったようですが、それよりも親会社との関係が大きな原因であったのではないか、ということでした。am/pmは親会社が頻繁にかわったという背景があり、一貫した戦略が取れなかったようです。
親会社との関係…これまでに全く注目していないところでした…

考えていたことが外れて、けっこうなショックを受けました。ですが、それ以前に新聞や雑誌の二次情報が少しずれているところがあった、ということに驚きを感じました。

「そこはそんなに簡単な話じゃないんですよね。」

というお答えが何度か返ってきました。 新聞や雑誌で書かれていることはすべてではない。頭ではわかっているのだけれども、どこかで盲目的に信じきってしまっていた自分たちがいたと思います。
今回のインタビューでは、研究をしていく上で二次情報に対しても「それは本当なのか?」という視点を持つこと、そして、実際にその業界の方にお話を伺い、確かめることの重要性を、身を持って知ることができました。


2011年11月10日木曜日

プロボーラー班、決断の時

小売班の堅田です。
秋なのか、冬なのか微妙な気候で、その日にぴったりな服を着るのが非常に難しい季節になってきましたね。僕は重ね着が苦手なので、厚手の上着に下は半袖というのが最近のスタイルです。

さておき、前回から資料を漁っていったわけですが、その後我々はどうなっていったのかご報告をさせて頂きます。

在庫回転率や在庫回転率を成立させる要素(配送センターの数、スーパーバイザーの人数、POSのシステムの改善回数など)やその他の株価や期間などのデータを探しに探し続けました。
小売業界の資料を漁って分かった事。
その一、欠損値が多い。
多くのデータを載せた小売業界の統計資料集があるのですが、
その統計資料集が出ていない年度や、なぜだかデータが載っていない年度が多いのです…

その二、フランチャイズでの運営にかんするデータはあまり多く載せられていない。
直営店にかんするデータは日販や店舗数などはっきりさせることが出来るのですが、
フランチャイズにかんするデータは掲載されていないのです。

定量調査するには絶対条件のデータが揃っていないということ。
井上先生にそこをはっきりさせておきなさいとアドバイスされていたにも関わらず、
細かくちゃんと見てみるとデータが揃っていないという事実。
これは困った。
もう小売の模倣を追うことは無理なのか…?

もう途方に暮れつつもぼんやり雑誌記事を読んでいました。
するとやはり目立つのが、コンビニに関する記事には、「セブンーイレブンから学ぶ」といった表現が多く見受けられるのです。
模倣を追うのには小売という業態は適している。
セブンーイレブンからどのようにコンビニエンスストアは普及していったのか。
セブンーイレブンの競合たちはどのように考え、どのように模倣していったのか。
定量的に見れないとしても、コンビニ業界の方に実際にお話を伺いながら見ていけば、
どのように模倣していったのか面白いことが見えてくるのではないか。
多くの議論を重ねた結果、時間も少なくなってきたことや、インタビューの可能性があることから、小売からコンビニに絞り、さらに模倣をしているであろう、2位以下のローソンやファミリーマートに焦点を当てた定性研究にシフトしていこうということになりました。

その過程の中で、班内で意見が大きく割れてしまいました。
お互いにとって興味の方向性が異なってきてしまい、どうしてもすり合わせすることは難しかった。そこで、お互いが納得いく形で卒業論文を書けるように、二つの班に分かれることになりました。
…結果的に男二人の班になってしまいました。

後に引けなくなった僕達二人。
改めて、井上先生や川辺先生からのアドバイス、そして雑誌記事等から仮説を立てました。

コンビニ業界では、ドミナント出店方式(一定地域への集中的な出店をすること)や24時間営業、荒利分配方式など様々な業界特有の仕組みがあります。そして、その多くが業界最大手のセブンーイレブンが率先して取り組んできたものでした。
何度も言いますがそのセブンーイレブンが創り上げたシステムを多くの他社が模倣してきたんですね。

そして一つ、特に気になる記事を発見しました。
コンビニ業界で準大手であったam/pmがファミリーマートに買収されてしまった際に、「都心への過度なドミナント出店が経営悪化の要因であった」という記事を見つけました。
ここで私たちは井上先生のおっしゃっていたことが脳裏によぎりました。

「結果を模倣することにかんする研究は多いが、過程までを模倣することに注目した研究は少ない。」

私たちは「セブンーイレブンを真似したがためにam/pmは業績を悪化させてしまったのではないか」と仮説を立てました。この背景を明らかにすれば、模倣の過程に対して一つ何か言えるのではないかと!
セブンーイレブンのように、ドミナント出店方式をすれば良いと、am/pmはその結果しか見ずにドミナント出店方式を取ってしまったがために、失敗をしてしまったのではないなか。

この仮説が正しいかどうか検証すべく、コンビニ業界の現場で働いている方にインタビューをしたい…!
どうにかしてお話を伺えないものか…

そのような時に、ゼミOGの渡辺さんから、
「ローソンの常務取締役の方の講演会がありますよ」という情報が!

これは最後のチャンスかもしれない、いくっきゃない!!

という訳で行って参りました、株式会社ローソンの役員のA様の講演会!
骨太な社会人になるためにというテーマでA様の体験談をもとに非常に面白いお話が聞けました。

講演会が終わり、なんとA様とお食事がご一緒できると…!
これはいくしかない!あわよくば更にお話を伺いたい!
お食事会も進み、お酒も進み、将来の夢や仕事について様々お話をA様とお話させて頂きました。
宴もたけなわ、というところでお食事会ももう終わりか、というところで我々はA様に申しださせて頂きました。
後日、お時間を頂いて、インタビューをさせていただけないかと。

もうA様はローソンの重役の方ですし、ものすごく緊張していましたし、
正直ダメかもな…と思いつつお願いをしましたところ…
学生さんにはできるだけ協力したいと、快くOKをいただくことができました!!!!!!!

もうこのチャンスは活かさない手はありません!
インタビューが決まると俄然やる気も沸き上がってきます!
それでは次のプロボーラー班、ローソンにインタビューへいくの巻きをお楽しみに!!


2011年10月11日火曜日

データソースの探しかた



こんにちは、初登場の原千晶です!

さて、私たちプロボーラー班・・・ここ最近は、もっぱら統計データとのにらめっこの日々です。


“統計データの探し・・・といっても、どうやって進めたらいいのだろう?”


そのような疑問をぶつけたところ、院生の泉谷さんから、「既存の実証研究で、どのようなデータが使われているのか」を見るとよい、
とのアドバイスをいただきました。
 

早速やってみることに。


私たちの班が行っていることを二段階に分けて説明しようと思います。
 



1.既存研究の検索
文献リサーチには、「EBSCO」というサイトを活用します。


当サイトでは、海外ジャーナルに掲載されている論文(もちろん、英語ですが・・・)を検索し、無料で参照することができます。
ちなみに、早稲田大学図書館のサイトから「EBSCO」のトップページにいくことができます!
 

莫大な数の文献が登録されているEBSCOでは、単に検索ワードを打つだけでは、見きれない量の文献がヒットしてしまいます。
それでは、作業にキリがありませんね。はい。


そんなときは!


「有名ジャーナルに掲載されている論文のみ」に、焦点を絞って検索すると、効率よくすぐれた文献に出会えます。
(これももちろん、院生の先輩からのアドバイスです!)


Administrative Science QuarterlyStrategic Management JournalAcademy of Management Journal
などの経営学におけるA級ジャーナルに絞って、早速検索。


私たちは、小売業におけるデータソースを探していたこともあるので、「retail」などのワードによって論文検索を行いました


同様に、「CiNii」というサイトを用いて、日本の論文も検索しました。


いくつかの論文が検索できたところで、次の段階へ行きたいと思います。




2.論文からどんなデータソースが用いられているかをチェック


さて、論文を検索して、集めました。
といっても、30ページ程度の長い論文の中で、どの部分を見ればいいのか。

論文には、ある程度決まった型があります。どのような変数を用いているのか、どのような仮説があるのか、
などそれぞれ項目に分けて整理して書かれています


今回は、「どのようなデータソースを用いているか」を見たいわけです。
用いたデータソースは、「DATA」「DATA AND METHODS」などといった項目の中に書かれている場合が多いです。


なので、ひたすら、該当部分を見て、データソースを拾って行きました。
見る部分が絞られることもあり、多くの文献を見ることができました。


さて、この作業を通して、今まで知らなかったような、統計資料の名前もちらほら・・・。


拾うことができたデータソースを、実際にこれから見に行ってみようと思います












何か、いいデータソースが、見つかるといいな!



2011年9月28日水曜日

定量研究におけるデータの重要性

こんにちは、プロボーラー班、うらたです.


前回の記事では、「ケースから面白い命題・仮説を導出する重要性」について、少し触れましたが、
私たちの班には、もうひとつ大きな課題があります。
  
私たちの班は、ビジネスモデルの模倣行動について、何らかのデータを用いて、「定量的に実証する」ことで、
既存研究に対して貢献したいという思いを持っていました。
 
その場合、
「ケース、事象の面白さ」だけでなく、「まとまったデータを取得できるデータソースの有無」が、
研究対象・テーマを決めるにあたり、非常に重要であるのです。
 

井上先生からは、


“統計をながめて、それで何ができるだろう?と考えるのが
多変量解析(2次資料利用)系のリサーチャーのスタンスです。”


と、データの重要性を教えていただきました。

 

また、前期にゼミで読んだ、
淺羽茂先生の、日本企業の競争原理にある、ソフトドリンク業界を用いた実証分析においても、
まとまったデータソースを用いていたことを思い出しました。
 



私たちは、小売業界にこだわって、「まとまったデータソース探し」の作業をこれまで怠ってきたことに気付かされました。
 



これからの2週間は、(1)小売業界のデータ探し、(2)業界にとらわれず、まとまったデータ探し に専念しようと思います。

2011年9月1日木曜日

夏合宿の収穫


皆さん、こんにちは!チームプロボーラー班、浦田です。
私からは、夏合宿で得た収穫!について書かせて頂きたいと思います。
夏休みも折り返し地点と、そんな中、去る8/26-283日間で、
井上ゼミ恒例の夏合宿が行われました!!1日目、2日目はひたすら室内にこもり、
学部生・院生・井上先生・OBOGの方々、全員で膝をくっつけながら、
議論し続けるのが、井上ゼミ合宿の伝統。




正直、海に合宿行く他ゼミやひたすら遊ぶだけの合宿の話を聞くと、
時折羨ましくもなりますが()、いざ合宿が始まり、机に向かうと文字通り、
光のように時間が過ぎます。

そして、丸2日議論し続けても時間が足りないと感じるほどに、
井上ゼミの合宿での議論はアツいものがあります。
私達も、夏合宿での卒論中間発表のために、夏休みも早稲田のマックや大学の中央図書館、
永田町にある国会図書館にこもりっきりで準備をし、発表しました。
実は、課題山積みだった我が班でしたが
やはり、ゼミで発表をすると、様々なフィードバックを貰えます。

井上ゼミでは、各チームで研究を進めるだけでなく、ゼミ全体で助言し合い、
フォローし合い、刺激し合いながら研究を進める風土があります。
中でも・・・「その研究、本当に面白いの!?」という本質的な問いを
ずばっと投げられることが多い私たちのゼミですが。
…早速きました。発表開始30秒で。

「その問い、面白いのかな?」

・・・・・・言葉に詰まる私たち。

そうです。
合宿に向けてなんとか形にしようと、既存研究を掘り起こし、
無理やり研究の型にはめてしまったことで、
スケールの小さい発表になってしまっていたようなのです。
もっと、小売業各社のケースから、面白い部分を洗い出し、
そこからさまざまな仮説を出すということが大事だということを再認識しました。
一日目の夜は、頂いたフィードバックを班で整理し、今後の方向性を話しあいました。

そして二日目。
午前中は同じ小売業界を“定性的に”見ている、
ガウディア班の研究について議論しました。企業のシステムを整理するのって難しい…。
そして、他の班について議論する中でも、
私たちの班にも活かせそうな情報が多く見つかりました。

午後は、院生の真木さんにお願いして、私たちのグループワークに加わっていただき、
初心に返って、「ケースの面白い部分」をもう一度整理し、
さらに、様々な命題・仮説をブレストしました。

幾つか紹介しますと…
「模倣は早く始めるものと、しばらく時間がたってから始めるものの二種類がいて、
どちらの方が模倣を成功させるのか」

「模倣をされることによって模倣される側は株価を上昇させる。」

などなど…

これまで視野を狭めていたのですが、
「この企業は、こんな仕組みを持っていていつからこの活動を取り入れていて」と、
これまで調べてきた様々な情報を改めて共有していくことで、
「期間」や「株価」など新たな指標を得ることができ、
研究の方向性を膨らませることができました。

合宿後は、この方向性を意識しつつ、またデータ打ち込みとケースリサーチの日々です!
この合宿を通して、目の前の霧がまた一つ薄らぎ、
自らの進むべき道がはっきりとしてきました。
俗世と離れ、研究のみの没頭できる合宿という空間だからこそ
成し得たことかもしれません。
まだまだ長い道のりですが、合宿での学びを糧に、ゼミ全体でシナジーを起こしつつ、
最高のものを作り上げたいと思います。夏休み、残り1カ月!がんばるぞ!!

2011年8月24日水曜日

合宿直前!!データとの格闘

こんにちは。プロボーラー班、堅田です。
本日は、夏合宿直前の我が班の様子をお伝えしたいと思います。
私たちの班では、「定量研究をしたい」という目標があるため、
小売業に関するデータをまとめようと努めています。
これまでも、数々の書籍、論文、統計データ、webサイト、有価証券報告書などにぶつかり、
奮闘してきました。
しかしもう、合宿まであと四日。まだ何も見えてきておらず、焦りばかりが募りました。

前回の川辺先生のインタビューからどのような仕組みによってセブンーイレブンは
速度の経済を成り立たせているのか、
その要素を洗い出し、さらにその要素を図にまとめる作業をしました。



その要素を数字で見ることで、模倣が追えるのではないか。
そう考えた私たちは、企業のデータを洗い出すことにしました。
速度の経済は、小売業界の「在庫回転率」で見れるのではないかと考え、
まずは、「各社の在庫回転率がどのように変動しているのかを整理しよう」
と考えました。

というわけで、資料(有価証券報告書三十年分)を求めて、やってきました。
国立国会図書館@永田町
国会図書館は、日本で一番多くの書籍、雑誌資料が所蔵されており、
私たちのゼミでも、よく活用する場です。私たちが真っ先に向かったのは雑誌コーナー。
国会図書館の雑誌コーナーにはありとあらゆる雑誌を閲覧することが可能です。
ジャンプを創刊号から楽しんでいる方もいれば、ベースボールマガジンを山のように
借りて一日中読んでいる方もいました。

そんな中、私たちは有価証券報告書を三十年分借りて、ひたすらデータを打ち込みました。
膨大な資料を一度に借り、データをもくもくと打ち込む、打ち込む眠い、肩凝った
辛さを押し込めて頑張りました。

ある程度打ち込みが終わり、データを眺めていると、
私はとんでもないことに気付いてしまいました。

予想に反するデータが出てしまったのです。

小売業界各社の在庫回転率は、年々上昇傾向にあるはずだと考えていたのが、ほとんど変化が見えないという事実が明らかに…!
私は涙目になりながら共にデータと格闘する原君に相談しました。
すると、

「おれの方もそうだわー。でもまぁ今分かって良かったじゃん?」

大きな壁にぶち当たるともそれに屈せず、真正面から受け止める仲間に僕は頼もしさを
感じました。

きっと研究とは、このようなものなのだと、私は実感しました。
壁に何度もぶつかり、ぶつかり続けたものだけが、いい論文が書ける。
これから先、幾度となく私たちは大きな壁に出会うでしょう。
大きな壁に出会った時は、私たちはみんなで支え合いながら、
壁を乗り越え続けていきたいと思います。
にしても、回転率の下降は無視できない事実。
なぜ、回転率は下がっているのか知りたいですね…
販売効率が上がる一方で、店舗の数も爆発的に増えていっているから、
目に見えて在庫回転率が上昇するという訳ではないのかな、と個人的に考えました。

2011年8月22日月曜日

川辺教授からのご指導


ご無沙汰しております。
プロボーラー班浦田です。
私たちは、小売業界を研究対象として2カ月ほどリサーチを進めてきました。
本を読んでは、まとめ
しかし、小売業界の大きな流れを、まとめられずにいたのです。

「小売業界について、もっと知りたい!詳しい人にお話聞きたい・・・」と
思っていた私たちは、川辺信雄教授と面会する、大変貴重なチャンスを手にしたのです。
川辺教授は、私たちの研究においても特に鍵となっていた、
『セブンーイレブンの経営史』という書籍を書かれた方です。
本書は、小売に関する書籍や論文の参考文献欄には、必ずや載っているものです。
メンバーの堅田が、川辺教授の授業を受講しており、
私たちの研究の話を先生にしたところ、

「意欲ある学生には、協力したいものですよ。」

とのお言葉を頂き、今回のような貴重な機会を了承して頂けたのです。

今回はセブンーイレブンがどのようにしてその業態を確立していったのか、
そして、コンビニエンスストア業界の肝とは何なのか、
ということについてお聞きするためにインタビューに行って参りました。

先生は、お忙しい中にも関わらず、ゼミ生でもない私たちのためにお時間を
作って下さいました。
大学にある川辺教授の部屋にて、様々なお話を伺うことができました。

「ウォルマートが今やっていることは、実は10年も昔にセブンーイレブンがやっていたことなんだよ。」

「セブンーイレブンって、トヨタの経営を学んでいるんだよ。」

ここでは一部しかご紹介できませんが、著書で研究対象とされていたセブンーイレブンの
枠にとどまらず、小売業全体の話、各国の文化・文脈の違いなど、
本当に幅広いお話を聞くことができました。机上で書籍をまとめているだけでは、
見えなかったようなことに対する気付きも多く得られました。
この面会で得られた情報から、私たちの研究のスケールも、
大きく広がったように思います。

特にセブンーイレブンは、
それまでの規模の経済を活かして、「安く仕入れて安く売る」というところから、
速度の経済を活かして、「一人ひとりのニーズに合わせていく」ということを
可能にさせたことが重要だという点を強くお話されていました。
川辺先生の表現をお借りすると、

「それまで(コンビニエンスストア業界が確立するまで)は顧客の方が企業へと
近づいていく感じなのですが、コンビニという業態は、企業の方が顧客へと近づいていく、
というわけなのですね。」

なるほど。
速度の経済というのは一つの大きな鍵になってきそうだなと、我々は確信しました。

と、まじめな研究の話は置いといて…()

実はこの日、ご指導頂いたあと、先生に食事にまで連れて行って頂いたのです!!
お酒も交えながら、先生の人生について、語って頂きました。海外数十カ国で授業を
されていたこと、先生の奥様のこと、若いころの失敗のこと、現代の大学のこと・・・
メンバー一同、先生のお話から多くの刺激を受けて、帰ってきました。

最後になりますが、こんな私たちのためにご協力頂いた川辺教授、
本当にありがとうございました。
多くの人の協力のもと、私たちが卒論をできているという幸せをここで再認識し、
より一層頑張らなくては!との決心が固まりました。
と、同時に、書籍だけではわからないことは本当にたくさんあるのだということを、
実際に川辺教授とお会いし、お話を聞かせていただいたことで、再認識しました。
井上ゼミの、「現場を見る」という文化は、研究には欠かせないのですね。

2011年8月20日土曜日

メンバー紹介、研究概要


学生注目!!(なんだー!)
誠に僭越ながら、自己紹介をさせて頂きます。(よっ!)
宮崎県立宮崎大宮高等学校出身!(知らなーい!)
現在、早稲田大学商学部4年井上ゼミ所属、(名門!)
チームプロボーラー班の原隆介と申します。
以後、お見知りおきを。(いよっっ!!)

ということで、本日より、我々チームプロボーラー班(単にメンバーにボーリング好きが
多いだけで、研究テーマはボーリングではありません)のブログが開設されました。
本日は、私、原隆介が以下の2本立てでお送りいたします。
1、チームプロボーラー班のメンバー紹介
2、チームプロボーラー班の研究内容



1、チームプロボーラー班のメンバー紹介

浦田彩乃:井上ゼミのまとめ役。思考に詰まった時の変な動きはゼミ1番。
堅田和希:井上ゼミきっての肉体派。ひょんなアイディア出しが特技
原千晶:井上ゼミのまとめ役2。場をきっちりしめてくれるしっかりもの。
原隆介:井上ゼミの特攻隊長。ロジカル思考でバッサバサ斬り込む斬り込み隊長。

こんな、個性豊かな4人。それぞれの良さを引き出しながら、
いい卒論に向かって頑張っていきたいなと。 

2、チームプロボーラー班の研究内容
私達は、現在、「ビジネスシステムに関する模倣行動の実証研究」を目標に、
小売業界(スーパー、百貨店、コンビニエンスストア、アパレル)をケースに研究を
進めています。
この”模倣”という聞きなれない言葉は、企業の模倣行動のことを指しています。 
「学ぶ」の語源が、「真似ぶ」という言葉だと、聞いたことがあるでしょうか。
一見、真似と聞くと、あまり良いイメージを抱けない方も多いかもしれませんが、
「真似ぶ学ぶ」ことは、人間や組織の成長に欠かせない、知的な活動であると、
私たちは考えています。

 企業の戦略や、システムの発展においても、他社からの模倣行動が
おこっているのではないかと思い、小売業界を対象に、研究しているわけです。


なぜ、小売なのかという声が聞こえてきそうですね…
お答えしましょう。

まず第一に小売業界はなかなかにデータが豊富そうであること!
小売業界は、統計資料が多く、年代ごとに細かい変化が見られそうなのです。
小売でまとめて資料になったものや、業態(スーパー、コンビニ、百貨店…)と
いったふうに分けてくれているものもあります。
私たちは定量研究をやろう!ということで集まったチームですので、
このデータが豊富ということは外せない条件なわけですね。
…おや?なぜ定量研究をやろうってなったの?という声が聞こえてきそうですね…
お答えしましょう!
その理由は、まずうちの班員の大半がこれまでに定性研究しかしたことがなく、
定量研究に対して憧れがあったから、ということですね!
…もちろん、それだけではないですよ!
もう一つの理由は、模倣の定量研究が少ないため、これまでの定性研究を活用して、
定量研究をすることで、模倣の研究に対して大きな付与を興研ができるのではないか、
と考えたからです。
これまでにやったことが無いので不安ですが、唯一、私は酒蔵の研究の際に少し定量研究を
していたので、その時の経験を活かしていきたい!と考えております。

第二に業界で多くのイノベーションが起こっているということ。
ある一つの企業がイノベーションを起こして(あるいは海外から持ってきて)、
新たな業態がどんどん確立されてきたんですね。
たとえば、今でこそ当たり前に身近にあるコンビニエンスストアは元々、
アメリカ発祥のものだったんですが、それをイトーヨーカドーが日本に輸入し、
更に発展させたものなのです。
それを機に続々とローソン、ファミリーマートといったコンビニが誕生し、
業態ができていったのですね。

第三に、(第二の理由にも繋がるのですが)模倣が頻発している
業界であるということですね。
たとえば、コンビニの資料あさりを軽くしただけでも、
業界にイノベーションを起こしたセブンーイレブンに対して多くの競合が、
「セブンを追随する」、「セブンを真似る」
といった記事が多く見られるのです。

第四に、業界特有のシステムがあり、模倣行動がはっきりと見て取れそう
ということです。
コンビニですと、ドミナント出店や単品管理、
アパレルですと、SPAと言ったような、
業界特有のシステムがあるので、その広がりが見えやすいのではないかと考えたのです。

このような理由から我々は小売を研究対象に選定したわけですね。

また、この、模倣にかんする研究ですが、経営学ではほとんど研究がなされておらず、
まだまだ未知なる分野なのです。
その、模倣という分野に、私たちのゼミで学んできた、「ビジネスシステム」という概念を
組み合わせることで、既存研究にはない発見をしてやろう!と、大な夢を持って、
日々頑張っております。
これまで十分な研究が成されていないのには、それなりの理由があり、
進む道は険しいですが、班員4人、さらには、研究室全体で卒論を盛り上げ、
邁進したいと思います。