2011年8月24日水曜日

合宿直前!!データとの格闘

こんにちは。プロボーラー班、堅田です。
本日は、夏合宿直前の我が班の様子をお伝えしたいと思います。
私たちの班では、「定量研究をしたい」という目標があるため、
小売業に関するデータをまとめようと努めています。
これまでも、数々の書籍、論文、統計データ、webサイト、有価証券報告書などにぶつかり、
奮闘してきました。
しかしもう、合宿まであと四日。まだ何も見えてきておらず、焦りばかりが募りました。

前回の川辺先生のインタビューからどのような仕組みによってセブンーイレブンは
速度の経済を成り立たせているのか、
その要素を洗い出し、さらにその要素を図にまとめる作業をしました。



その要素を数字で見ることで、模倣が追えるのではないか。
そう考えた私たちは、企業のデータを洗い出すことにしました。
速度の経済は、小売業界の「在庫回転率」で見れるのではないかと考え、
まずは、「各社の在庫回転率がどのように変動しているのかを整理しよう」
と考えました。

というわけで、資料(有価証券報告書三十年分)を求めて、やってきました。
国立国会図書館@永田町
国会図書館は、日本で一番多くの書籍、雑誌資料が所蔵されており、
私たちのゼミでも、よく活用する場です。私たちが真っ先に向かったのは雑誌コーナー。
国会図書館の雑誌コーナーにはありとあらゆる雑誌を閲覧することが可能です。
ジャンプを創刊号から楽しんでいる方もいれば、ベースボールマガジンを山のように
借りて一日中読んでいる方もいました。

そんな中、私たちは有価証券報告書を三十年分借りて、ひたすらデータを打ち込みました。
膨大な資料を一度に借り、データをもくもくと打ち込む、打ち込む眠い、肩凝った
辛さを押し込めて頑張りました。

ある程度打ち込みが終わり、データを眺めていると、
私はとんでもないことに気付いてしまいました。

予想に反するデータが出てしまったのです。

小売業界各社の在庫回転率は、年々上昇傾向にあるはずだと考えていたのが、ほとんど変化が見えないという事実が明らかに…!
私は涙目になりながら共にデータと格闘する原君に相談しました。
すると、

「おれの方もそうだわー。でもまぁ今分かって良かったじゃん?」

大きな壁にぶち当たるともそれに屈せず、真正面から受け止める仲間に僕は頼もしさを
感じました。

きっと研究とは、このようなものなのだと、私は実感しました。
壁に何度もぶつかり、ぶつかり続けたものだけが、いい論文が書ける。
これから先、幾度となく私たちは大きな壁に出会うでしょう。
大きな壁に出会った時は、私たちはみんなで支え合いながら、
壁を乗り越え続けていきたいと思います。
にしても、回転率の下降は無視できない事実。
なぜ、回転率は下がっているのか知りたいですね…
販売効率が上がる一方で、店舗の数も爆発的に増えていっているから、
目に見えて在庫回転率が上昇するという訳ではないのかな、と個人的に考えました。

2011年8月22日月曜日

川辺教授からのご指導


ご無沙汰しております。
プロボーラー班浦田です。
私たちは、小売業界を研究対象として2カ月ほどリサーチを進めてきました。
本を読んでは、まとめ
しかし、小売業界の大きな流れを、まとめられずにいたのです。

「小売業界について、もっと知りたい!詳しい人にお話聞きたい・・・」と
思っていた私たちは、川辺信雄教授と面会する、大変貴重なチャンスを手にしたのです。
川辺教授は、私たちの研究においても特に鍵となっていた、
『セブンーイレブンの経営史』という書籍を書かれた方です。
本書は、小売に関する書籍や論文の参考文献欄には、必ずや載っているものです。
メンバーの堅田が、川辺教授の授業を受講しており、
私たちの研究の話を先生にしたところ、

「意欲ある学生には、協力したいものですよ。」

とのお言葉を頂き、今回のような貴重な機会を了承して頂けたのです。

今回はセブンーイレブンがどのようにしてその業態を確立していったのか、
そして、コンビニエンスストア業界の肝とは何なのか、
ということについてお聞きするためにインタビューに行って参りました。

先生は、お忙しい中にも関わらず、ゼミ生でもない私たちのためにお時間を
作って下さいました。
大学にある川辺教授の部屋にて、様々なお話を伺うことができました。

「ウォルマートが今やっていることは、実は10年も昔にセブンーイレブンがやっていたことなんだよ。」

「セブンーイレブンって、トヨタの経営を学んでいるんだよ。」

ここでは一部しかご紹介できませんが、著書で研究対象とされていたセブンーイレブンの
枠にとどまらず、小売業全体の話、各国の文化・文脈の違いなど、
本当に幅広いお話を聞くことができました。机上で書籍をまとめているだけでは、
見えなかったようなことに対する気付きも多く得られました。
この面会で得られた情報から、私たちの研究のスケールも、
大きく広がったように思います。

特にセブンーイレブンは、
それまでの規模の経済を活かして、「安く仕入れて安く売る」というところから、
速度の経済を活かして、「一人ひとりのニーズに合わせていく」ということを
可能にさせたことが重要だという点を強くお話されていました。
川辺先生の表現をお借りすると、

「それまで(コンビニエンスストア業界が確立するまで)は顧客の方が企業へと
近づいていく感じなのですが、コンビニという業態は、企業の方が顧客へと近づいていく、
というわけなのですね。」

なるほど。
速度の経済というのは一つの大きな鍵になってきそうだなと、我々は確信しました。

と、まじめな研究の話は置いといて…()

実はこの日、ご指導頂いたあと、先生に食事にまで連れて行って頂いたのです!!
お酒も交えながら、先生の人生について、語って頂きました。海外数十カ国で授業を
されていたこと、先生の奥様のこと、若いころの失敗のこと、現代の大学のこと・・・
メンバー一同、先生のお話から多くの刺激を受けて、帰ってきました。

最後になりますが、こんな私たちのためにご協力頂いた川辺教授、
本当にありがとうございました。
多くの人の協力のもと、私たちが卒論をできているという幸せをここで再認識し、
より一層頑張らなくては!との決心が固まりました。
と、同時に、書籍だけではわからないことは本当にたくさんあるのだということを、
実際に川辺教授とお会いし、お話を聞かせていただいたことで、再認識しました。
井上ゼミの、「現場を見る」という文化は、研究には欠かせないのですね。

2011年8月20日土曜日

メンバー紹介、研究概要


学生注目!!(なんだー!)
誠に僭越ながら、自己紹介をさせて頂きます。(よっ!)
宮崎県立宮崎大宮高等学校出身!(知らなーい!)
現在、早稲田大学商学部4年井上ゼミ所属、(名門!)
チームプロボーラー班の原隆介と申します。
以後、お見知りおきを。(いよっっ!!)

ということで、本日より、我々チームプロボーラー班(単にメンバーにボーリング好きが
多いだけで、研究テーマはボーリングではありません)のブログが開設されました。
本日は、私、原隆介が以下の2本立てでお送りいたします。
1、チームプロボーラー班のメンバー紹介
2、チームプロボーラー班の研究内容



1、チームプロボーラー班のメンバー紹介

浦田彩乃:井上ゼミのまとめ役。思考に詰まった時の変な動きはゼミ1番。
堅田和希:井上ゼミきっての肉体派。ひょんなアイディア出しが特技
原千晶:井上ゼミのまとめ役2。場をきっちりしめてくれるしっかりもの。
原隆介:井上ゼミの特攻隊長。ロジカル思考でバッサバサ斬り込む斬り込み隊長。

こんな、個性豊かな4人。それぞれの良さを引き出しながら、
いい卒論に向かって頑張っていきたいなと。 

2、チームプロボーラー班の研究内容
私達は、現在、「ビジネスシステムに関する模倣行動の実証研究」を目標に、
小売業界(スーパー、百貨店、コンビニエンスストア、アパレル)をケースに研究を
進めています。
この”模倣”という聞きなれない言葉は、企業の模倣行動のことを指しています。 
「学ぶ」の語源が、「真似ぶ」という言葉だと、聞いたことがあるでしょうか。
一見、真似と聞くと、あまり良いイメージを抱けない方も多いかもしれませんが、
「真似ぶ学ぶ」ことは、人間や組織の成長に欠かせない、知的な活動であると、
私たちは考えています。

 企業の戦略や、システムの発展においても、他社からの模倣行動が
おこっているのではないかと思い、小売業界を対象に、研究しているわけです。


なぜ、小売なのかという声が聞こえてきそうですね…
お答えしましょう。

まず第一に小売業界はなかなかにデータが豊富そうであること!
小売業界は、統計資料が多く、年代ごとに細かい変化が見られそうなのです。
小売でまとめて資料になったものや、業態(スーパー、コンビニ、百貨店…)と
いったふうに分けてくれているものもあります。
私たちは定量研究をやろう!ということで集まったチームですので、
このデータが豊富ということは外せない条件なわけですね。
…おや?なぜ定量研究をやろうってなったの?という声が聞こえてきそうですね…
お答えしましょう!
その理由は、まずうちの班員の大半がこれまでに定性研究しかしたことがなく、
定量研究に対して憧れがあったから、ということですね!
…もちろん、それだけではないですよ!
もう一つの理由は、模倣の定量研究が少ないため、これまでの定性研究を活用して、
定量研究をすることで、模倣の研究に対して大きな付与を興研ができるのではないか、
と考えたからです。
これまでにやったことが無いので不安ですが、唯一、私は酒蔵の研究の際に少し定量研究を
していたので、その時の経験を活かしていきたい!と考えております。

第二に業界で多くのイノベーションが起こっているということ。
ある一つの企業がイノベーションを起こして(あるいは海外から持ってきて)、
新たな業態がどんどん確立されてきたんですね。
たとえば、今でこそ当たり前に身近にあるコンビニエンスストアは元々、
アメリカ発祥のものだったんですが、それをイトーヨーカドーが日本に輸入し、
更に発展させたものなのです。
それを機に続々とローソン、ファミリーマートといったコンビニが誕生し、
業態ができていったのですね。

第三に、(第二の理由にも繋がるのですが)模倣が頻発している
業界であるということですね。
たとえば、コンビニの資料あさりを軽くしただけでも、
業界にイノベーションを起こしたセブンーイレブンに対して多くの競合が、
「セブンを追随する」、「セブンを真似る」
といった記事が多く見られるのです。

第四に、業界特有のシステムがあり、模倣行動がはっきりと見て取れそう
ということです。
コンビニですと、ドミナント出店や単品管理、
アパレルですと、SPAと言ったような、
業界特有のシステムがあるので、その広がりが見えやすいのではないかと考えたのです。

このような理由から我々は小売を研究対象に選定したわけですね。

また、この、模倣にかんする研究ですが、経営学ではほとんど研究がなされておらず、
まだまだ未知なる分野なのです。
その、模倣という分野に、私たちのゼミで学んできた、「ビジネスシステム」という概念を
組み合わせることで、既存研究にはない発見をしてやろう!と、大な夢を持って、
日々頑張っております。
これまで十分な研究が成されていないのには、それなりの理由があり、
進む道は険しいですが、班員4人、さらには、研究室全体で卒論を盛り上げ、
邁進したいと思います。