2012年2月15日水曜日

論文完成と反省と

コンビニ班、最後の記事になりました。
ラストの記事執筆を務めます堅田です。

前回から、どうやら親会社との関係が重要なんだな
ということを感じ取ったコンビニ班。

戦略を決める際に、子会社は親会社から影響を受けている。
これに当てはまる先行研究はないものか…

ここまでの報告も兼ねて、先生に相談に行って参りました!
ドミナント・ロジック、組織学習、組織間学習…
様々な理論を紹介していただきました。

理論を読み、そこから我々はここまで集めていた
雑誌記事や資料を読み返すことで最もぴったりと当てはまりそうな理論を吟味し、
論文を執筆していきました。

自分たちが苦労して集めた情報を最もよく見せるには、
どの理論を使って説明するのが最も良いのか。
何度も何度も論文を書いてはゼミ生や先生に叩いてもらい、
直していきました。

何度も書き直した結果、僕達が選んだのは組織学習という理論を用いることにしました。
ローソンがダイエーのナショナルチェーンから学び47都道府県展開したように、
過去の自分の経験から学ぶことを組織学習論では「直接経験からの学習」といいます。
逆にファミリーマートがセブンーイレブンを見て忠実に模倣していったように、
他者を見て学習することを「間接経験からの学習」といいます。

さらにローソンとファミリーマートはそれぞれの学習を
親会社である三菱商事、伊藤忠商事から学びを得、深化させている、
という内容で描かせていただきました。

完成までに論文を書きなおした回数を数えてみると、
なんと10回!!
他班と比べるとその回数は異常でした。
ゼミ生や先生に非常に負担になってしまいました…
最後まで、フィードバックをしてくれたゼミ生、
そして的外れな内容を書いてくるコンビニ班に対して
何度も何度もアドバイスをしてくださった先生には、
本当に感謝してもしきれません。

しかし、それにしてもなぜこんなにも書きなおす必要があったのか…
終わった今、僕なりに反省したいと思います。

僕は「アウトライン」ではないかな、と思っています。

他班はアウトラインを何度も書き直し、
ゼミ内で叩いてもらって直す、という過程を踏んでいました。
そこで、言いたいこと、論を明確にして、そこからはじめて本文を執筆していました。

それに対して、
僕達の班はそのまま原文を書いていく、という方法を取ってしまいました…
途中までアウトラインを書いていたのですが、
言いたいことがなんとなく決まった段階で執筆を開始させてしまったのです。
そこからはガーッと論文を書いては、ゼミのメーリングリストに投げ、フィードバックをもらって、
またガーッと書いて…ということをしていました。

必ずしもこのやり方が適切ではないとは言えませんし、
いきなり論文を書かず、アウトラインを書いていても
同じくらい時間がかかったかもしれませんが、
今回のことからアウトラインを書くことが重要だなと思った理由を記しておきたいと思います。

まず第一に、これは当たり前ですが、言いたい内容がぶれる、ということです。
全体の流れとなるアウトラインを作らず15,000字の論文を書いているわけですから、
加筆修正を加えようとすると、論にずれが生じてしまうわけです。
実際に、コンビニ班は先行研究を数回変更させたのですが、
そのたびに論文全体を書きなおすという作業をせねばならず、
ここを直したら、あっちもこっちも直さなくちゃいけないという状況に陥り、
非常に骨が折れました。

第二に、第一のところでも少し触れましたが、毎回論文全体を書きなおすのは大変な労力がかかります。
これも当たり前ですね。毎回15,000字の長い論文の全体を書きなおすわけですから。

まあ、ここまでは自分たちの問題なので仕方ないですし、それでいいというならばいいんでしょうが、
アウトラインをしっかりさせることは以下の理由において最も不可欠だと思いました。
それはゼミ生や先生の担が大きくなるということです。
他のゼミはどのようにお互いの論文を見合っているのかわからないのですが、
井上ゼミではアウトラインの段階からゼミ全体で共有し叩き合うというスタイルをとっています。そこでフィードバックやアドバイスを貰うのですね。

その際、全体の流れを明確にするアウトラインを共有せず、
いきなり長い本文をみんなに見せて、「フィードバックしてください」っていうのは、
無理があったのではないか、と思います。


井上ゼミは一人ひとりが単独で動いているわけではなく、
一つのチームとしてあることが必要とされます。
そのために全体で何度も集まってはゼミの在り方について何度も議論しました。
井上ゼミはチームなわけですから、自分たちだけでなく、
チームとして適した行動をしなくてはならないのです。

アウトラインは一つのことに過ぎませんが、
ゼミ全体で協力していく、
これからも井上ゼミはずっとそうだと思います。
これから井上ゼミに入ってくれる後輩のみんなにも、このことを念頭において井上ゼミらしい行動をとってほしいなと思います。
以上、反省でした。

僕は論文で思考力を磨くだけでなく、ゼミの研究対象としている“組織”について実際に学ぶことのできる井上ゼミに所属してよかったなと振り返って感じています。
最後になりますが、
お忙しい中、一介の学生のインタビューに答えてくださった川辺先生やコンビニ業界関係者の方々、
自分が論文で手がいっぱいな時もフィードバックをくれた井上ゼミのみなさん、
そして、どんな時も熱心に、何時間も相談に乗っていただいき、様々な助言をくださった院生、
そして井上先生、
本当にありがとうございました。

井上達彦ゼミナール8
コンビニ班
堅田和希
原隆介

2012年1月20日金曜日

フロンティア・スピリット

コンビニ班、原隆介です。

前回、予告させていただいたように、
ナチュラルローソンに携わっておられた株式会社ローソンのC様にお話を伺って来ました!
インタビューに向かうにあたって、なぜローソンだけが出来たのか、
前回同様に仮説を立てて伺いました。

ローソンは2001年から親会社がダイエーから三菱商事へと変わっているのですが、ちょうどその時期にローソンはマルチフォーマット戦略を始めています。
そこで、“新たな戦略策定の際に、親会社からの影響があるのではないか”
そう睨んだ私たちはこの仮説を持って、C様に直接伺ってみました!

そうしたところ、

「確かに三菱商事からのバックアップはあるんだけど、
そこよりももっと大きな要因がある。」

というお話でした。

「またずれていたか…」と思いつつも、もう仮説が外れることなんて、慣れっこなコンビニ班。
めげずにさらに要因について伺ったところ、

うち(ローソン)は、ダイエーのころから非常に面白い企業でした。もとよりダイエーそのものが多角的な企業であり、何でもやろうという風潮が強かったんです。ダイエー時代にパチンコ内にローソンをつくろうっていう話が上がって、それをかなり検討したこともありました。

というお答えをいただきました。
三菱商事からのハードの側面の支援も大切だったようですが、ダイエーの頃からの「何でもやろう」という精神が非常に大切であったようです。
そのような精神が前々からあったから、マルチフォーマット戦略という、業界初の戦略に対してもアレルギーなく取り組めたようです。

私たちが興味をいだいたのは、その精神が元親会社であるダイエーの考え方から伝播した、ということでした。
親会社から考え方が伝播し、企業がどのような戦略を取るのかを選択する際に強く影響をすることがある。
ローソンの47都道府県への出店もダイエーからの影響があったようです。
ダイエーは「ナショナルチェーン」という考え方のもと、全国に店舗を出店することに力を入れていたようなのです。
その影響からローソンはコンビニ業界では初の47都道府県展開をしたとのことでした。
セブンーイレブンを始め、その他のコンビニはドミナント出店方式というある一定の地域に集中的な出店をしていたにもかかわらず、
1997年という早い時期に全国、すべての都道府県に出店できたのはダイエーの精神を受け継いだからだったんですね…

これは重要なことをお聞きすることができました!
親会社との関係…
これまでインタビューをさせていただいたローソンのA様からも、様々なコンビニを渡り歩かれたBの様からもちらっと親会社に関するお話は出てきました。
どうやらここに注目する価値はありそうです!